立花エンターテインメント・ワン株式会社

専務取締役

大垣 有作 氏

会社概要

事業内容:飲食業

従業員数:約800名(社員数 135名)
同友会での活動:支部活動・産業構造研究会

会社HP:https://www.tcbn.co.jp/

会社について

立花エンターテインメント・ワン株式会社

立花エンターテインメント・ワン株式会社は、創業者である大垣専務のお父様が給食業で起業された会社で、
現在はグループ全体で外食事業(大阪・神戸を中心に飲食店を複数展開)、産業給食事業、クラフトビール製造販売事業を展開する会社です。

同友会 入会背景

入会背景

大手食品メーカーで勤務した後、父が創業した会社に26歳で入社、入社当時は事業が成熟期に入っていた。

先代は大垣専務が31歳の時に病気で倒れ、その後他界。それから、営業面や内部統制・財務体質の改善に取り組んだ。経営に取り組んで4年経った際に、結果は出てきたが、徐々に改善するテーマが少なくなってきたと感じた。

次のステージに移るために新たな学びが必要だと考え学び先を探した。

 

中小企業に大企業のやり方を当てはめる限界も感じ、中小企業の経営を学べる場所を探した結果、最初は、産創館「なにわあきんど塾」で1年間、中期経営計画の作成や中小企業経営に必要なことについて一通り学んだ。その後、さらに経営を学べる場、特に経営理念について深められる場として同友会を選んだ。

同友会の活用方法

〜全国の会員からの経営情報がコロナ禍での適切な判断に繋がった〜

コロナ禍で、事業の主力である飲食業が大変な状況に陥り、

  • どのようにコロナ禍を乗り越えるのか?
  • コロナ後の事業の成長に向けてどう準備をするのか?

が課題だった。

 

その際に、同友会新聞(会員向けの情報誌)が経営判断の参考となった。同友会新聞の中には東日本大震災や熊本地震を乗り越えられた全国の経営者の話など、過去に厳しい状況の中でどのように判断し、結果がどうなったのかという話が掲載されていた。その情報がコロナ禍で経営判断をする上で役にたった。

 

例えば、東日本大震災後に「いざ反転攻勢できるようになり、人を新たに採用したのはいいが、教えられる人材が震災後退職してしまっていて育成に困った」という記事があった。

また、「会社の中に60代、40代、20代がいる会社は非常にうまくいく。60代の人はどうやって20代を育てていいのか分かりません。20代・40代だけで60代がいない会社もうまくいかない。この場合、40代が辞めていく傾向になります。組織は年齢に気を付けながらバランスを取ることも必要です。」ということを書いている経営者もいた。

そういった記事を読んでいたので、既存社員の大切さを改めて知り、コロナ禍で社員が退職を申し出てきた時には、反転攻勢の際のことを考えて、業績は苦しかったが、全力で退職を止めにいかなければいけないという想いになった。

 

また、中期経営計画は随時ブラッシュアップしていくことが大切だが、同友会新聞を読んでいると自分の中で言語化出来ていなかった経営者の言葉が出てくる。それを中期経営計画に当てはめることで、社外にも社内にも自分の考えを説明出来るようになる。

〜同友会での活動を通して、従業員との接し方が変わり、
会社の方向性を共有できるようになった〜

従業員との関わり方でいうと、同友会に入る前までは会社の方向性に従業員を合わせるという考えが強かった。同友会の会員から教わったのは、従業員の考えに会社が歩み寄ってもいいのではないかということ。それが腑に落ちた。

経営者は自分の思いと社員の思い双方に目を向ける必要があると思うようになった。パートナーが大切にしていることも取り入れながら経営をしています。

また、会社では専務として、リーダーシップをとっているが、同友会では一兵卒でやらせてもらっている。この立ち位置の時間があるっていうのはとても大切。

同友会は会社と同じように組織運営されているが、その中で、どういうことで大人の不満が起こるのか、どうやってリーダーが組織をまとめるのかを見ることが出来る。

同友会を退会希望の人がいて、自分ではこの人の退会を止めるのは無理だなと思っても、他の会員さんが、「ちょっと呑みに行ってくるわ」と言って退会を止めたりする。

そういうことがある度に自分の判断が未熟だったなと思う。

そして、自分の会社でも、瞬間的に無理かなと思うようなことでも、やりようによってはなんとかできる方法があるのではないかと想像できるようになった。

〜同友会活動を通して、他業界・他社のリアルな情報を知ることが出来る〜

自分の業界だけにいると特定の業界だけの話しか入ってこないので、本当の社会情勢や経済状況の動きが分かっていないことがある。 

産業構造研究会(※)に行くと、製造業や物販業や海外事情がどうなっているかなど、自分の属さない業界のリアルな話を聞けるのがすごく良い。

また、サービス業の会社と製造業の会社では経営面で強い分野が違うので、製造業の経営を知ると自社の経営に活かせる。

 他の産業をみると自社の立ち位置がより明確になる。平均勤続年数でいうと、飲食業は約6年〜7年、自社は約14年なので、同業界内では良い。全産業で見ると、上場企業では15年~25年ぐらいあるが、平均で見ると約13年ぐらい。上場企業には届かないが、全産業という括りでみると平均に届いている。

自分たち以外の業界の感覚があると、社員に「うちの会社っていい会社なんですか」と聞かれた時に、よその会社と比べてどうなのかという話を自信を持って伝えられようになるし、足りないところも自覚できる。

同友会には真面目に経営している人が多いので、自分の中に答えがない場合でも、この人に聞いたら、ヒントをもらえそうだという人がたくさんいて、実際に助かっています。

(※ 大阪同友会産業構造研究会 : 会員企業の売上高や収益、資金繰り、設備投資といった事業計画の実績・予測値など企業活動全般にわたる項目についてアンケート調査をおこない多面的に分析・考察しそれらを自社経営に生かすとともに、会活動に反映することを目的とした研究会。)

〜同友会は地域密着のコミュニティがあり、
その繋がりが事業に活きている〜

他の異業種団体は梅田か難波を拠点とするコミュニティーが多い。地域密着のビジネスをする上では、地域の深い繋がりや情報を持っている方がいい。同友会は地域密着のコミュニティーを大切にしており、大阪府内を細分化した支部編成なので、行政区単位で詳しくなるし、また行政区単位で人脈ができる。

 

他の団体にも加入しているが、同友会ほどそういう地域ごとに細かくセグメントされている団体はない。

 

例えば私が東大阪市に新たに出店するとして、物件を見つけた時に、東大阪支部に行って、その場所が本当にいいか聞くと色々教えてくれると思う(同友会では他支部の例会にも自由に参加できる)。

 

支部のメンバーにはその地域で商売している人や昔からその地域に住んでいる人がいて、その地域の深い情報が入ってくる。そこで得た情報で仕事相手と話をすると、この人は地域のことをよく知っているなと信用にも繋がっています。

経営の成果

事業継承した際に6年ほどだった平均勤続年数は14年に定着率アップ!
外部環境の厳しい変化にも対応できる中小企業経営になった!