経営を学ぶなら/大阪府中小企業家同友会南東ブロック
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大阪府中小企業家同友会 ビューテック 若本氏
株式会社ビューテック
大阪府中小企業家同友会 ビューテック 若本氏

株式会社ビューテック

代表取締役

若本 憲吾 氏

会社概要

●●株式会社ビューテック●●

店舗や工場、住宅を対象に、建築一式・リフォーム全般、空調設備・メンテナンス事業などを展開している。

音響熟成木材を利用した
健康に暮らせる家作り

会社看板

INDEX

同友会 入会背景

入会背景

 創業当初は、エアコンの洗浄や外壁塗装、防水などを両輪として、近隣の方の困り事に対応する形で、自分が生まれ育った文化住宅の一室からスタートした。たとえばエアコンの洗浄を頼まれれば深夜に作業に行くといった具合で、夏場のエアコンの水漏れや、トイレの水詰まり、トイレの入れ替え工事など、さまざまなお困り事に対応して積み上げてきたものが、現在のこれだけの形になっている。昨年が20期で年商2億超に達した。

 創業当初から現在まで、営業という意識はなく、一貫して紹介による顧客開拓を図ってきたので、大々的な広告活動はしていない。10年超のメンバーばかりだが、飛び込みによる新規開拓営業も一切行ったことがない。人とのつながりを大切にして、受注した案件によって実績を積み、信頼を得て業務拡大を図っていくのが本来のビジネスの理想。

 建築業はいったん引き渡しをしたら、メンテナンスまでの期間が長いためにお客様との関係が途切れてしまいがちだ。しかし、そうならないよう誠実な営業スタイルを貫いてきた。大切にしているのは一期一会の出会い。エアコン洗浄など一つ一つの案件は似通ったものかもしれないが、だからといって惰性でこなすと、お客様にもそれが伝わってしまう。弊社に任せたら安心と思っていただけるように、一件一件を着実にこなしている。

同友会の活用方法

〜他者の生き方から学べる成長の場〜

 同友会に入ったのは創業から5年目の2008年。

 建設業は異業種からのスタートだったので、さまざまなことを経験しているうちに、経営者として何か真面目に勉強できる場があればと思っていた。
いざ入会してみると、皆さんが真剣に討論をしている姿を見て、こんなに会社や従業員のことを思っている社長さんたちがいることに衝撃を受けた。

 入会してよかったと思う理由は、まず、いろいろな人と討論をしたり交流したりしていく中で、これまでの自分を振り返ることができたこと。
業者として信じてやってきたことは間違いではなかったと知ることができた。関西ブロック支部長交流会が神戸で開かれた時に、挨拶で「同友会とは経営者のテクニックを学ぶところではない、経営者の生き様を学ぶところです」と話された時は、自分の信念が確信に変わった瞬間でもあった。

〜指針経営の実践、自分の思いを言語化する大切さを知る〜

 同時に、時代が変化していく中で皆さんと一緒に歩んでいくと、自分の力の足りない点、衰えている点もどんどん発見できた。

 例えば自分は高卒ということもあり、大卒の方に比べてボキャブラリーが少ない。真面目に事業に取り組んできている方ほど言葉巧みで、きちんと思いを表に出すこともできるが、自分はそこが苦手だった。指針セミナー(現、経営指針確立・実践セミナー)を受けて理念作りをした時に痛感したのだが、かつては、理念は頭の中にあるのだから、それを表に出せばいいと安易に考えていた。しかし、具体的な言葉として出てこないし、ましてや他者に伝えていくとなれば、どれだけ難しいのかを悟った。そういったことを知るのはいろいろな意味で衝撃であり、自分の足らないところを自覚するということでもあった。もし、頭の中に理念があればよいという考えで意固地になっていたら、今の成長には至っていないかもしれない。

 経営面でプラスになっていることは、学びによって、数字よりも理念に向き合えるようになったこと。本当に「何一本で、きたのか?」と聞かれたら、理念一本で、きている。

 理念を言語化することがなぜ大切なのかといえば、理念とは従業員たちの目印となり、考えさせるポイントになるからだ。あとは自分たちの行い一つ。社内でも話していることだが、思考と言葉と行動、この三つが一致しないと信用・信頼にはつながらない。

 月一回の会議では必ず理念唱和や、行動指針を記載した弊社オリジナルカレンダーの内容と解説を繰り返し読んでいる。理念唱和、行動指針唱和によって大きな変化があったかどうかまではわからないが、そこを基準に物事の話ができるというのは大きい。弊社の理念には、事業内容の「建設を通じて」「空調を通じて」といった言葉は一切ない。あるのは人としてどうかというところでの表現である。

 また、やるべき目標を掲げた時、ある程度理解できている人ならば、数字目標があればわかりやすいが、理解できていない人の場合は、何のためというところから入っていかなくてはわかりにくい。ある人物が若本と直接話した時は理解できるが、その人物を通して、さらに他の人に伝えることができるかというと、これが難しい。経営者は日常の業務の中で理念につながっていくことを拾い、繰り返し話していくことが大事なのだと考えている。

 何のために仕事をしているのかというと、利潤追求のためではなく、いかに人としてどうだったのか、人格を高めていくためにやっている。偉人でもない我々庶民が唯一自分の生きてきた証を残せるとしたら、次の世代から次の世代へと伝わっていくようなことを考えながら実践していくことだと思う。そうしたことが理念として残っていく。

〜謙虚でありつつも、遠慮なく場の利用を〜

 同友会入会にあたっては、何のために入会するのかという目的を持っているのと持っていないのとでは、その後の成長が大きく変わってくると思う。人との関わり、人との摩擦、そういったところが人を成長させる学びとなる。私が入会当初に衝撃を受けたように、自社の従業員と真面目に向き合っている経営者の方々の中にいると、磨かれるものがたくさんあるはず。

 ゲストとしてお声掛けした方によくお伝えしているのは、営業を目的とするのではなく、学びの場として参加した方がよいということ。自分の行いを他の方々が見ているし、従業員から評価をもらえない部分についても他の経営者の方々が評価してくれるので、成長できる場として、ぜひとも入会をお勧めしたい。

 ただ、謙虚な気持ちは大事だけれど、遠慮はしない方がよいこともお伝えしたい。例えば委員会に出席できないことがネックで委員長を躊躇している人。誰か他の人が出席できれば問題はないので安心していただきたい。自分の代わりに出席をお願いするのは押し付けではなく、その相手にチャンスを回してあげることなのだから。これは私自身が支部長を務めたからこそ言えることでもあり、その経験から多くを学ぶことができた。そこを遠慮してしまうと経営者失格だと思うし、そういう考え方も同友会で得たものの一つ。今の自分の高さから見えている景色よりも、さらに高いところから美しい景色を見られるようになること請け合いです。

大阪府中小企業家同友会について

同友会は、中小企業の経営を守り、共に団結していこうという趣旨から、1957年に東京で設立されました。その後、組織が全国各地に広がり、現在では47都道府県、約46,000名の中小企業者が加盟しています。「大阪中小企業家同友会」は1958年に発足し、大阪府下支部には約2,100名が所属しています。

大阪府中小企業家同友会例会
立花エンターテインメント・ワン株式会社

立花エンターテインメント・ワン株式会社

専務取締役

大垣 有作 氏

会社概要

事業内容:飲食業

従業員数:約800名(社員数 135名)
同友会での活動:支部活動・産業構造研究会

会社HP:https://www.tcbn.co.jp/

会社について

立花エンターテインメント・ワン株式会社

立花エンターテインメント・ワン株式会社は、創業者である大垣専務のお父様が給食業で起業された会社で、
現在はグループ全体で外食事業(大阪・神戸を中心に飲食店を複数展開)、産業給食事業、クラフトビール製造販売事業を展開する会社です。

同友会 入会背景

入会背景

大手食品メーカーで勤務した後、父が創業した会社に26歳で入社、入社当時は事業が成熟期に入っていた。

先代は大垣専務が31歳の時に病気で倒れ、その後他界。それから、営業面や内部統制・財務体質の改善に取り組んだ。経営に取り組んで4年経った際に、結果は出てきたが、徐々に改善するテーマが少なくなってきたと感じた。

次のステージに移るために新たな学びが必要だと考え学び先を探した。

 

中小企業に大企業のやり方を当てはめる限界も感じ、中小企業の経営を学べる場所を探した結果、最初は、産創館「なにわあきんど塾」で1年間、中期経営計画の作成や中小企業経営に必要なことについて一通り学んだ。その後、さらに経営を学べる場、特に経営理念について深められる場として同友会を選んだ。

同友会の活用方法

〜全国の会員からの経営情報がコロナ禍での適切な判断に繋がった〜

コロナ禍で、事業の主力である飲食業が大変な状況に陥り、

  • どのようにコロナ禍を乗り越えるのか?
  • コロナ後の事業の成長に向けてどう準備をするのか?

が課題だった。

 

その際に、同友会新聞(会員向けの情報誌)が経営判断の参考となった。同友会新聞の中には東日本大震災や熊本地震を乗り越えられた全国の経営者の話など、過去に厳しい状況の中でどのように判断し、結果がどうなったのかという話が掲載されていた。その情報がコロナ禍で経営判断をする上で役にたった。

 

例えば、東日本大震災後に「いざ反転攻勢できるようになり、人を新たに採用したのはいいが、教えられる人材が震災後退職してしまっていて育成に困った」という記事があった。

また、「会社の中に60代、40代、20代がいる会社は非常にうまくいく。60代の人はどうやって20代を育てていいのか分かりません。20代・40代だけで60代がいない会社もうまくいかない。この場合、40代が辞めていく傾向になります。組織は年齢に気を付けながらバランスを取ることも必要です。」ということを書いている経営者もいた。

そういった記事を読んでいたので、既存社員の大切さを改めて知り、コロナ禍で社員が退職を申し出てきた時には、反転攻勢の際のことを考えて、業績は苦しかったが、全力で退職を止めにいかなければいけないという想いになった。

 

また、中期経営計画は随時ブラッシュアップしていくことが大切だが、同友会新聞を読んでいると自分の中で言語化出来ていなかった経営者の言葉が出てくる。それを中期経営計画に当てはめることで、社外にも社内にも自分の考えを説明出来るようになる。

〜同友会での活動を通して、従業員との接し方が変わり、
会社の方向性を共有できるようになった〜

従業員との関わり方でいうと、同友会に入る前までは会社の方向性に従業員を合わせるという考えが強かった。同友会の会員から教わったのは、従業員の考えに会社が歩み寄ってもいいのではないかということ。それが腑に落ちた。

経営者は自分の思いと社員の思い双方に目を向ける必要があると思うようになった。パートナーが大切にしていることも取り入れながら経営をしています。

また、会社では専務として、リーダーシップをとっているが、同友会では一兵卒でやらせてもらっている。この立ち位置の時間があるっていうのはとても大切。

同友会は会社と同じように組織運営されているが、その中で、どういうことで大人の不満が起こるのか、どうやってリーダーが組織をまとめるのかを見ることが出来る。

同友会を退会希望の人がいて、自分ではこの人の退会を止めるのは無理だなと思っても、他の会員さんが、「ちょっと呑みに行ってくるわ」と言って退会を止めたりする。

そういうことがある度に自分の判断が未熟だったなと思う。

そして、自分の会社でも、瞬間的に無理かなと思うようなことでも、やりようによってはなんとかできる方法があるのではないかと想像できるようになった。

〜同友会活動を通して、他業界・他社のリアルな情報を知ることが出来る〜

自分の業界だけにいると特定の業界だけの話しか入ってこないので、本当の社会情勢や経済状況の動きが分かっていないことがある。 

産業構造研究会(※)に行くと、製造業や物販業や海外事情がどうなっているかなど、自分の属さない業界のリアルな話を聞けるのがすごく良い。

また、サービス業の会社と製造業の会社では経営面で強い分野が違うので、製造業の経営を知ると自社の経営に活かせる。

 他の産業をみると自社の立ち位置がより明確になる。平均勤続年数でいうと、飲食業は約6年〜7年、自社は約14年なので、同業界内では良い。全産業で見ると、上場企業では15年~25年ぐらいあるが、平均で見ると約13年ぐらい。上場企業には届かないが、全産業という括りでみると平均に届いている。

自分たち以外の業界の感覚があると、社員に「うちの会社っていい会社なんですか」と聞かれた時に、よその会社と比べてどうなのかという話を自信を持って伝えられようになるし、足りないところも自覚できる。

同友会には真面目に経営している人が多いので、自分の中に答えがない場合でも、この人に聞いたら、ヒントをもらえそうだという人がたくさんいて、実際に助かっています。

(※ 大阪同友会産業構造研究会 : 会員企業の売上高や収益、資金繰り、設備投資といった事業計画の実績・予測値など企業活動全般にわたる項目についてアンケート調査をおこない多面的に分析・考察しそれらを自社経営に生かすとともに、会活動に反映することを目的とした研究会。)

〜同友会は地域密着のコミュニティがあり、
その繋がりが事業に活きている〜

他の異業種団体は梅田か難波を拠点とするコミュニティーが多い。地域密着のビジネスをする上では、地域の深い繋がりや情報を持っている方がいい。同友会は地域密着のコミュニティーを大切にしており、大阪府内を細分化した支部編成なので、行政区単位で詳しくなるし、また行政区単位で人脈ができる。

 

他の団体にも加入しているが、同友会ほどそういう地域ごとに細かくセグメントされている団体はない。

 

例えば私が東大阪市に新たに出店するとして、物件を見つけた時に、東大阪支部に行って、その場所が本当にいいか聞くと色々教えてくれると思う(同友会では他支部の例会にも自由に参加できる)。

 

支部のメンバーにはその地域で商売している人や昔からその地域に住んでいる人がいて、その地域の深い情報が入ってくる。そこで得た情報で仕事相手と話をすると、この人は地域のことをよく知っているなと信用にも繋がっています。

経営の成果

事業継承した際に6年ほどだった平均勤続年数は14年に定着率アップ!
外部環境の厳しい変化にも対応できる中小企業経営になった!

フクイ株式会社

フクイ株式会社

福井 秀行 代表取締役

会社概要

事業内容:
■義肢・医療装具用製作材料部品及び半製品 既製品の卸販売
■リハビリ関連用品の卸販売 ■福祉介護関連用品の卸販売スタッフ数:2名
本社所在地: 大阪市平野区流町1-8-18
売上 :4億
社員数:9名
創業 :大正13年4月1日
法人化 :昭和46年12月1日
同友会入会:2008年
会社HP:https://gishisougu.com/

インタビューのポイント

同友会に入会されたきっかけや入会されて良かったことを中心にインタビューさせて頂きました。

1. 悩みの共有と解決

入会のきっかけは、同業態の得意先の社長が同友会で発表をされたこと。その発表を聞いて、経営者として共通の悩みを持っていることがわかり、同友会に入会を決めた。同友会では、悩みを共有し、互いに助け合いながら解決していくことができる。

2. 人材育成と若返り

指針セミナーを受け、理念作成や経営計画立案を行った。その過程で社員の高齢化に気づき、新卒採用を行うことで企業を若返らせた。若い人材が入り、業績が向上し始めたことと時期が重なった。

※指針セミナーとは、経営理念の作成から経営計画の作成までを半年間、6回の講義で行う勉強会。

3. 人脈作りと相談相手の拡大

同友会に入ることで、規模の大小や業種が異なる経営者と知り合い、相談相手が増えた。特に、士業の方々との人脈が、会社に何か問題が起きた際の相談相手として役立っている。

同友会では、経営者同士が悩みを共有し、助言や指摘を行いながら成長していくことができる。また、人材育成や人脈作りにも役立ち、経営に対する視野が広がる。同友会の「企業変革支援プログラム」を通じて、経営指針の確立や自社の評価ができ、経営者として成長していくことが可能である。